



前回までのあらすじ
今日はたかとも、なにをしていたんだ?


兵庫県淡路市にお邪魔して、福祉という目線から地域コミュニティについて研究したよ。その際に淡路市社会福祉協議会の事務局長である凪 保憲さんにお話いただいた!
兵庫県淡路市淡路島ってどこ?



▼淡路市社会福祉協議会の公式ホームページはこちらから▼
淡路市(あわじし)
兵庫県南部の淡路島北端から中央部にかけて位置する市。島の北側三分の一を占める。明石海峡大橋を通じて神戸市と、明石海峡をはさんで航路で明石市と、市南部は洲本市と隣接しており、神戸都市圏(1.5%都市圏)に含まれる。
ウィキペディアより参照
旧・津名町から引き継いだ1億円の金塊や、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の震源地である旧・北淡町の野島断層、世界最長の吊り橋明石海峡大橋などがある。また百人一首の「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」(藤原定家)の歌は、北端の松帆の浦(松帆崎)が舞台である。
阪神淡路大震災からいかにして今の状態に至ったのか、また「福祉」という視点から地域コミュニティについて見つめたかったんだ。
本題の前におさらい
−ここで一つおさらいがあります。この「日本縦断ヒッチハイクで漢一人旅」の基本的ルールとしては
- 頼まれごとには全てYES
- ヒッチハイクで乗せてくださった方の命令一つ必ず聞く
- アポはなるべく前日、人伝てで人にお会いさせていただく
- ヒッチハイクで必ず県を跨がなくてはならない(都市圏は別)
- ヒッチハイクで乗せてくださった方には最大の感謝の気持ちを込めて似顔絵をプレゼントする。
たかともはこのルールを遵守しているんだべ。


社会福祉協議会事務局長 凪保憲さんにお話を伺いました。
−母がアクティブに社協に勤めているおかげの縁もあって、淡路市の社協の事務局長である凪さんに淡路市の福祉についてお話を聞くことができました。



淡路市が目指す地域福祉って?
凪さん:地域福祉と地域コミュニティを共生させること。地域コミュニティやまちづくりというのはどちらかと言えば強者の理論なんだ。
まちづくりが強者の理論?!
−都会のまちづくりは表面的に賑わっていれば成功であると捉えられる傾向にあるけど、淡路市のように都会ではない地域に至っては表面だけみていてはいけない。
世の中には光もあれば陰もある、淡路市をはじめとした社会福祉は地域をよりよくしていくために「弱者」への支援を中心に注力して行なっている。
地域福祉のあり方が変わってきている
凪さん:これまでの地域福祉というと、障がい者支援や引きこもり、寝たきり老人、貧困家庭に対する支援を中心に行われてきたが
これからはいかにして弱者を地域と接点を持たせるかということが大切になってくる。
社会福祉(social-welfare)
狭義には基本的人権(特に生存権)の保障の観点から生活困窮者の生活保障や心身に障害等があり支援や介助を必要とする人への援助を行う公的サービスをいう[2]。また広義には全国民を対象に一般的な生活問題の解決を目指す取り組みをまとめて社会福祉という[2]。
国民の生存権の保障(生活の安定や健康の確保など)を目的とする制度を社会保障制度(social security system)という[3]。社会保障は欧米では所得保障という意味で用いられることが多い[4]。一方、日本では社会保障は社会福祉サービス等も含む概念として用いられている[4]。日本では公的扶助、社会福祉、社会保険、公衆衛生及び医療、老人保健を総称して狭義の社会保障とする[4]。さらに狭義の社会保障に恩給及び戦争犠牲者援護を含めて広義の社会保障とする[4]。
淡路市の課題
−淡路島は「島」なため、まとまった盆地が少ない。地元の若者がベンチャーとして名産の玉ねぎを大量に栽培しているが、段々畑なので農作物を作る上では不利な地質なんだ。
若者も淡路島を出たいから大学進学をするという人がぼちぼちいる。
少子高齢化、過疎化はどの地域も同じ課題だよね。
障がい者介護施設 いづかしの杜



凪さんに案内されて向かった先は障がい者介護施設である「いづかしの森」
この施設は昔幼稚園だった施設を再活用したものです。
ん?左側のドアに「弁当屋」って書いてあるぞ…
気になったのでお邪魔してみた!



え?!施設利用者の方々がお弁当を作ってる?!
凪さん:一般的に障がい者の方は社会から「ありがとう」と言われることは少ない。しかし、お弁当を作ることによって社会から障がい者の方へ「ありがとう」という言葉が向けられるようになる。
どんな立場であってもきっかけさえあれば、give&giveな関係になれるんだね。
本日のお弁当は71食ぶん作られていました。頼まれているぶん作られるので無駄がないですね。



おいたかとも、反対側に「なんでも屋」って建物があるど!


いづかしの杜 なんでも屋に入ってみた!



入ってみると地域の方が楽しそうにお茶を飲んでお話していました。
ご飯も食べることができるし、食材も買うことができるようです。



凪さんに裏メニューのオムソバを奢っていただきました。ありがとうございます。とっても美味しかった!
−「なんでも屋」という施設は、地域の方のコミュニティ施設であり、飲食店、食材やら色々なものを購入できる便利な施設です。いづかしの森周辺にはものを買える場所があまりない為、地域の皆さんにとっては便利な施設なんだとか。
なぜ「なんでも屋」なのかというと、足りないものは買ってくるからだそうです。田舎らしくて、とっても愛がある施設でした。
ここのスタッフにもいづかしの杜の施設利用者がいたよ。
いづかしの杜責任者の方:この施設が建ってから、たくさんの問題があって。例えばテンパってしまってものを投げて暴れてしまったり。扉をバタン!と大きい音を立てて閉めてしまったり。
その都度その都度、ルールを作って、やっと地域の方にもこの施設を認めてもらえるようになったの。



地道な努力があったんだなあ…。



「幸来−ハピクル−」といううどん屋さん
僕たちは凪さんの車に乗せられて淡路島を見学しながら、次の場所「幸来−ハピクル−」にお邪魔させていただきました。



このうどん屋さんもなんと障がい者の方がうどんを作っているんです。
凪さん:障がい者も社会から「ありがとう」と言われる社会、それが我々が目指す
共生を循環できる社会
なんだよ。淡路市の社会福祉協議会は弱者と地域社会がお互い頼り合う社会を目指しているんだ。だからこそ、このように「お弁当屋」「なんでも屋」「うどん屋」など、誰かのためになる事業を障がい者の方をスタッフとしてとり行なっているんだよね。いつまでも助けられる立場では人として楽しくないからね。
ちょっと待ってうどんが美味すぎる…
はあ、すごく勉強になるな…
こちら釜揚げうどんです!



あ、頼んだ釜揚げうどんがきた。
四国とも近いし、それなりに美味しかったりするのかな?
いただきます!
ズルズル…
んん!!??



なな、なんと凪さんがこの店をプロデュース、経営しているのだとか。凪さんはうどん修行にも言っていたそうで、味、麺のしなやかさ、芯のコシ、出汁の味の角の丸さ、全てにおいて美味しいうどんでした!
https://tabelog.com/hyogo/A2806/A280601/28035667/
ここに障がい者スタッフのためのデザインが。
水はここまで、注文の受注をしやすいように、と。
まとめ
僕は震災10年以降の被災地域コミュニティについての理想の形について研究しているのですが、今日凪さんからお聞きした話から「弱者」と呼ばれる人への地域参画も僕の研究において考えるべきポイントだと感じました。
「地域が楽しくなる」そのためには、強者と呼ばれる人がどんな人でも共生できる仕組みを作ることが大切ですね。勉強になりました。
明日は神戸市にある「人と防災未来センター」にお邪魔します。
明日もお楽しみに!